心のグラフの川島です。
今回は、双極性障害、大変なのは、むしろ躁転したとき、というテーマでお話していきたいと思います。
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双極性障害の患者さんが、うつ状態になると、ふさぎ込んでしまうため、その家族は不安と心配で、とまどうことだと思います。
しかし、ご家族の方にとって、さらに大きな問題になるのは、うつ状態ではなく、躁状態のときです。
うつ状態のとき
双極性障害の方のうつ状態のときは、暗い表情で不機嫌だったり、ふさぎ込んでしまい、外出することもままならないようになるなど、うつ状態は、誰が見ても明らかです。
うつ状態の時って、身体がだるくて、何もする気が起きなくて、頭の中はネガティブな思考がぐるぐると駆け巡っていて、絶望しかないって感じなんだよね。
何かをやろうとしても、考えがまとまらないから、結局、何もできずに、ベッドで1日中横になっているって感じかな?
まぁ、そんなんだから、見てる家族も心配にはなるんだろうね。
(Aさん)
躁状態のとき
ところが、双極性状態の躁状態は、
体調が改善したのか?
それとも、
躁転しているのか?
その違いを見極めることがとても難しいものです。
大抵の場合は、体調が改善しているように見えるだけで、実際には、軽躁状態。
軽い躁状態になっている場合がほとんどです。
また、躁状態がひどくなると、家族が傷つくような発言を繰り返したり、金遣いが荒くなり、さらには多額の借金を背負いこんでいることも、よくあります。
このような人間関係におけるトラブル、金銭面に関するトラブルを頻繁に起こし、ご家族の方も、その影響を受けてしまうことになります。
躁状態の時って、身体に力がみなぎってきて、めちゃくちゃ頭がさえてきて、俺、絶好調!って感じなんだよね。
でも、イライラしやすいってのは、間違いない。
家族に対して、なんどもひどい事を言ってしまったこともあったね。
もちろん、傷つけてしまったと思うし、あとになって考えると、言っちゃいけないことを、言っちゃってたなって思うよね。
そういう意味では、双極性障害は、かなりヤバイ病気だよね。
(Aさん)
仕事への影響も大きい
双極性障害のうつ状態においては、長期の欠勤や、休職することになると、その上司や同僚、職場の人間が、その人分をカバーしなくてはなりません。
もちろんこれだけでも仕事面への影響は十分大きいのですが、その欠員に対しては、ある程度の対策は立てられるものです。
しかし、躁状態においては、うつ状態よりも深刻な問題になることがあります。
例えば、取引先にできもしない約束をしていたり、知らない間に会社のお金を使いこんでしまっていたり、同僚や会社のことを突然訴えると言い出したり。
職場として法的なトラブルまで起こしてしまうことも、十分にあり得るのです。
躁状態の時って、身体に力がみなぎってきて、頭がさえてきて、うつ状態で今までできなかったことのほとんどが、普通にできるようになっちゃうんだよね。
だからさ、てっきりうつ病が治ったのかな?って思っちゃって、そんで職場も、平気平気って言っちゃって、たくさん仕事を引き受けちゃったり。
でも、イライラしやすいってのは自覚がある。
それから、なんか、自分以外の人間が、全員アホに思えてきて、そんで、上司と口論になって、ケンカしちゃって。
さんざんトラブルを起こしたもんだから、最終的には、会社を辞めされられちゃったんだよね。
まぁ、あれだけのことを、しでかしたら、当然の結果なのかもしれないけど。
躁状態は、病気だから仕方がない、では済まないんだよね。
(Aさん)
まとめ
・双極性障害ではむしろ躁状態の方が大変
・躁状態は見分けることが難しい
・さまざまな社会的トラブルを起こすようになる