うつ病の治療と言えば、投薬による治療と並行して、認知行動療法が行われるのが一般的です。
その認知行動療法のなかでも、特に有名なコラム法シートについて、例文をつけて解説します。
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目次
認知行動療法 コラム法シート
① 状況・出来事
(いつ、どこで、誰と、なにを、どのように?)
これまでなじみのない仕事をしていてわからないことが出てきた。周りの人に聞こうと思うが、みんな忙しそうにしているので聞きそびれた
② 気分・感情
(どんな感情をどの程度感じたか?)
無力感 80%
みじめ 70%
③ 自動思考
その時浮かんだ自分の考え、ふとよぎった「私は…」「相手は…」「世の中は…」「将来は…」に続くような考えを書きます
逐語的に。複数ある場合は、気分が最も強く動揺した考え(=ホットな自動思考)に○印をつける。
どうして積極的になれないのだろう。
こんな消極的では、仕事が先に進んでいかない。
引っ込み思案な自分が情けない。
仕事も人間関係もうまくできない自分は、社会人として失格だ。
考え方のクセ
あてはまるものに○
①全か無か思考、②こころの色眼鏡、③拡大解釈と過小評価、④結論の飛躍、⑤過度の一般化、⑥自分自身への関連付け、⑦すべき思考、⑧レッテル貼り、⑨感情的な決め付け、⑩マイナス思考
④ 根拠
自分の考えの根拠となる真実
仕事の内容がよくわからない。
実際に仕事が停滞している。
人に話しかけるときにいつも緊張する。
言いたいことが言えないことがよくある。
100人中、何人?
あなたと同じ出来事を経験したら、100人中何人があなたと同じ考え方をすると思いますか?
50人
⑤ 反証
自分の考えと逆の事実や例外となる事実
慣れていない仕事には誰でもとまどうが、少し慣れてきた部分もある。
同僚も上司も時間があるときには教えてくれるし、少しずつは仕事も進んでいる。
自分は聞き上手だと言われることがある。
ためらっていても、本当に必要なことは最後には言えている。
⑥ 適応思考
自分を大切にする考え方
④根拠、⑤反証の両方の事実をふまえたらどんな考え方になりますか?
どんな仕事でもうまくいかないことはあるが、少しずつ仕事は進んでいるから、まずその経過を見ることが大切だ。
慣れてくればスムースにいきそうだし、周りの人たちも協力的だ。
緊張するのは事実だが、言うべきことを言えればよい。
むしろ聞き上手なほうが人間関係はうまくいく。
自分を大切にする考え方をした結果の感情
無力感 50%
みじめ 30%
まとめ
① の状況・出来事から始まり、7つのステップを踏んでいくと、マイナスな感情が和らぐことを実感できることだと思います。
知識として理解するだけでなく、実際に紙とペンで書き出すことで初めて効果を実感できます。
ぜひ、認知再構成法、7つのコラム法に挑戦してみてください。
1度では不十分です。
7つのステップを暗記するぐらい、何度も何度も練習してください。
7つのコラム法は、あなたにとって、うつ病の再発予防のための、貴重な『スキル』になるはずです。